2017年4月23日日曜日

「フリーライダー あなたの隣のただのり社員」 河合太介 渡部幹 2010 ★★


河合太介
なんで自分はこんなにまじめに、こんなに沢山仕事をして、こんなに長時間働いているのに報われず、それに対してあの人はまともに仕事などせず、就業時間でも遊んでいて、上司の前だけいい面して、それで仕事をがんばっている、成果をあげたと評価され、昇進していてき、給料もあがっていく。なんて不公平なんだ。

どうせ報われないのなら、自分だってがんばって仕事をする必要は無い。できるだけうまくやって、サボって時間を過ごせばいい。


仕事をせずに周囲の人に「ただのり」する社員を「フリーライダー」と呼び、なぜそういう人が発生するのか、そこにはどんなタイプがいるのか、そしてその対処法は?などを描くもの。

恐らくこういう人は規模がある一定レベルを超えた大きな会社においては、いつの時代でも必ず一定割合存在したのであろうが、かつてはもう少し社会全体、会社全体がおおらかで、そういう人にも存在理由があるんだと、「働かないアリに意義がある」のように許容する余裕があったのが、競争主義が導入され、会社全体に効率化が求められ市場で勝ち抜いていかなければならない現代においては、一人一人がフルで働かなければいけない状況が続く中、余計に「フリーライダー」が目に付くようになったのもまた事実であろう。

ただ組織側としては、どうやって「フリーライダー」の意識を発生させないか、そしてそれが伝染しないようにするのかは非常に重要な生命線であり、やはり最後は給料を得る場所としてではなく、一職業人として自分の将来にとってどのような有益なスキルを身につけることができるか。またその手段が多種多様あると思える場所にすることが、一番の解決法なのだろうと読み終えて改めて思うことになる。

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目次
第1章 ただのり社員に苛立つ職場
第2章 フリーライダーの分類―日本の職場にいる四種類のフリーライダー
第3章 なぜフリーライダーが生まれるのか
第4章 組織としての問題解決―勤勉な社員が夢を見られる会社づくり
第5章 個人として取るべき行動
第6章 新たな課題
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