2015年4月5日日曜日

「鬼神伝」 川崎博嗣 2011 ★

現代に住まう中学生が、ある日謎の鬼に追われ、そこを救ってくれた僧侶に連れられ時空を超えて1200年前の平安の都である京都にタイム・トラベルし、そこで人と鬼の戦いに巻き込まれる。

というストーリー。

最初の「鬼」の描き方が何かもやもやとして気になったので見てみたが、ことごとくつくりが浅い一作。平安の都の描き方がアニメーションだからこそできる特別な表現になっているかといえばそうでもなく、「鬼」として虐げられる部族と貴族の戦いで何が正義かを悩む主人公の姿も「どこかで見た設定・・・」と思わされるだけ。

なぜこの主人公がわざわざ時空を超えて平安から現代までやってきて呼び寄せられたかの深い設定も感じられず、平安という文献がそれほど残されていないだけにまだ不思議な世界観が通用する距離感とそこにアニメの手法を被せることでの期待感は分からなくも無いが、それがうまく融合されなかったという感じだろうか。

八百万の神々がもっと身近であったはずの日本の日常を、ぜひともアニメの力で説得力を持って描き出す。そんな作品を期待せずにいられない。
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スタッフ
監督 川崎博嗣
著者 高田崇史
脚本 荒川稔久、川崎博嗣
イラスト 村上豊
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キャスト
天童純:小野賢章
水葉:石原さとみ
源雲:中村獅童
源頼光:近藤隆
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