2015年3月7日土曜日

エッフェル塔(Tour Eiffel) ギュスターヴ・エッフェル 1889 ★★★★★


せっかくパリに来たのだから、少しの時間でもやはり立ち寄りたいのはこのエッフェル塔。東京タワーの様にまっすぐとエレベーターを下ろして足元の透過性が失われるのではなく、そこはやはり粋なフランス人。近代のエレベーターをつける段階になっても、オリジナルのデザインを守るために、足元では4本の脚に沿わせて斜めのエレベーターを採用することによって、タワーの足元がすっぽりと抜けて向こう側が見えるという透過性と、何よりもタワーの下にもぐりこみ、そこから上を見上げるという近代技術の作り上げた新たなる都市の風景を体験できることであろう。

斜めのエレベーターがどれだけコストがかかろうとも、そこはやはりオリジナルのデザインを尊重する判断をするあたり、やはり文化への尊重とプライドを感じずにいられない。

ロラン・バルトの「エッフェル塔」で、「下から見られる存在としての塔」と、「上から見下ろすための視点」という二重性を都市に生み出したとして槍玉に挙げられ、飯島洋一の「光のドラマトゥルギー―20世紀の建築」 では、その建設現場にて空中に浮かぶプラットフォームから打ち上げられた花火によってその完成図を確認されたというエピソードから、それを「火の時代」から「電気の時代」への幕開けを象徴する建築であるとされたこのタワー。

ロマンチックなものから、何やらキナ臭いものまで、様々な物語の舞台となり、そしてそれを見下ろしてきたエッフェル塔は何よりもそれが画面に映りこむことでそれが「パリの風景」へと記号を与えてしまう、フランスの首都パリの象徴的建築物であることは間違いない。

1889年にパリで開催された第4回万国博物館。その目玉として企画され、コンペによって技師であるギュスターヴ・エッフェルの案が選定されて、万博にあわせるためにたった2年二ヶ月という短い建設期間によって完成をした塔である。これを聞くと、万博やオリンピックという国威を世界に示すためのイベントでは、どうしても予算や建設期間という問題が付きまとうのはどの時代も同じなのだと思わずにいられない。

その高さは312mで当時世界最高高さの建造物であり、下から3層、57m、115m、275mのところでそれぞれに展望台が設置されている。その展望台に設置されている建物が最近改修されて、非常にエレガントなガラスのファサードを持った建物となっており、先ほどルイ・ヴィトン・ファンデーションを案内してくれたRFRがそのファサードを手がけたということで、ぜひとも上までのぼりディテールを確認したかったのだが、夜も遅い時間といっても展望台に向かうエレベータには長蛇の列・・・

長い1日だったのでさすがに上にのぼるのは諦めてその代わりにタワーの足元からまっすぐ伸びる都市軸と、そして上に向かって一点に収束する技術の描く曲線を眺め、4本の脚で描かれた境界のなかで思い思いの時間を過ごす世界中から集まった人々の姿を見ながら、これも最も美しい都市の広場に違いないと再認識してホテルへと戻ることにする。















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