2015年2月20日金曜日

ルイヴィトン高知店 乾久美子 2003 ★★


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所在地  高知県高知市はりまや町
設計   乾久美子
竣工   2003
機能   商業施設 
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日の高いうちに訪れるべき建築と寺社をなんとか回りきり、市の中心に位置する繁華街にあるホテルにチェックインし、ホテルの人に地元の情報を手に入れ付近の街並みを散策することに。

その前に立ち寄るのがこのルイ・ヴィトン高知店。現在日本の建築業界において、世界的に活躍するSANAAの妹島和世は別格として、女性と建築家というキーワードですると恐らく一番上位にくるのではと思われるのが設計者である乾久美子。

青木淳事務所出身で、独立後すぐに有名ブランドの商業施設を手がけ、銀座のディオールにて、表層的な建築デザインにおいて現代日本を代表するポジションに手をかけながらも、しっかりと住宅や美術館など他の建築タイポロジーにおいてもしっかりと活動の幅を広げながら、審査員や建築教育、講演会など様々な場面でも引っ張りだこの建築家といってよいであろう。

そんな彼女が独立してはじめて手がけたのがこのルイヴィトン高知店。その後のキャリアを追ってみると

2001年 独立(32歳)
2003年 ルイ・ヴィトン高知店(高知県高知市)(34歳)
2003年 ヨーガンレール丸の内店(東京都千代田区)(34歳)
2004年 LOUIS VUITTON OSAKA HILTON PLAZA(大阪府大阪市北区)(35歳)
2004年 ディオール銀座(東京都中央区)(35歳)
2005年 新八代駅前モニュメント(熊本県八代市)(36歳)
2007年 アパートメントI(東京都渋谷区)(38歳)
2009年 スモールハウスH(群馬県)(40歳)
2009年 日比谷花壇日比谷公園店(東京都千代田区)(40歳)
2011年 共愛学園前橋国際大学4号館(群馬県前橋市)(42歳)
2012年 みずのき美術館(京都府亀岡市)(43歳)

当初は内部も含めて建築全体の提案だったらしいが、最終的にはファサードのデザインで落ち着いたようであるこのプロジェクト。高知市の中心繁華街であるはりまや橋の喧騒が広がる玄関口に、落ち着いた表情を作り出すダブルスキンは、外側に小さなライムストーンを千鳥状に重ねる、その奥行きの為に角度によって後ろまで透けて見えたり、一面の壁に見えたりとするモアレの効果を使いながら、後ろに設置した照明の効果も手伝って非常にエレガントな灯篭のような風景を夜の街に作り出している。

すでに閉店したお店の壁を写真におさめている姿を訝しげに眺めて横を通り過ぎている地元の人の視線を受けながら、この街の夜の世界はいかがなものかと楽しみに思いながら商店街の奥へと足を向けることにする。






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