2015年1月3日土曜日

岳王廟 ★★


「今日はお互いにそれぞれ行きたい場所を巡って、できればランチくらいで合流しましょう」ということで、同行ご夫婦は昨晩夕食を取った楼外楼付近の博物館へ行くらしく、我々は昨日回りきれなかった西湖十景と妻がリストアップしていたお茶博物館などの点在する山方面をメインとして出発する。

まず向かったのがホテル近くにある岳王廟(がくおうびょう、yuè wáng miào)。その名の通り、岳飛(がくひ、yuè fēi)と呼ばれる12世紀に生きた南宋の武将を祭ったお寺である。

北宋時代に武勇を認められ始め、台頭する金に首都であった開封を終われ、ここ杭州を首都とする南宋が樹立されてから、金に対して戦いを挑み、何度も勝利を収めた稀代の武将として崇められている。中国国内のかなり広い場所で見られる、三国時代の蜀の武将・関羽を崇めるお寺と同様に、漢民族の英雄とされている人物という。

しかしその勢力が増大すると共に、当時の宰相である秦檜(しんかい、Qín Huì)によって謀殺されてしまう。その名誉回復は彼の死後20年もの後に達せられたというが、岳飛の遺体をこっそり運び出して埋めたという寺を元にして岳王廟とされたという。

朝一で他に観光客のいない静寂な空気の中、こうした歴史施設を訪れるある種の心地よさは、どこの国でも同じだと思いながら今日一日、どんな風景を見ることができるかと楽しみに散策を開始する。


















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