2015年1月3日土曜日

保俶塔 900 ★★


市内に戻り西湖の北峰「宝石山(Bǎoshí Shān)」の頂上にそびえる「保俶塔(ほしゅくとう、bǎo chù tǎ)」を見に行くことにする。西湖周辺でどこからでも見ることのできるランドマークとして機能するタワーの一つである。

中国茶葉博物館からバスに揺られ30分、西湖の西側と北側を巡って北東の角で下車。道のすぐ向かいにある登山口から上に向かって上っていく。見上げるとすぐに塔が見えるのですぐかと思いきや、これがかなりの急勾配。途中で休憩を挟みながら20分ほどで頂上に到着。

この「保俶塔(ほしゅくとう、bǎo chù tǎ)」、北宋統一後の900年に呉越王が都へ出発する際に無事を祈って建立されたという。現在のものは高さが45mの6角形の姿をしており、1933年に修復されているという。上に行くほど細くなるタワーは南の雷峰塔と比べても、非常に繊細な細いタワーとして風景に違いを作る役割を果たす。

塔の西側にはジュラ紀時代の噴火によってできたとされる「熔結凝灰岩」と呼ばれる不思議な形の岩が鎮座しており、観光客がその上に上っては西湖の景色を眺めたりしている。

山を降りる際に、これまた手摺のない参道の両脇になにやら不思議な木の枝を見つける。よくよく見ると、それは木に隠された照明設備への電線を擬態の様に隠しているようである。これが昨晩「断橋残雪」を見るときに、白堤から眺めた美しい電飾に照らされた「宝石山」のからくりかと、なんだか嬉しくなる。

山を折りきって再度西湖の畔でバスを待っていると、一般道からバスの停留所が脇に入り込んでいるのを見つける。片側一斜線の道でも、この仕組みのお陰で渋滞を引き起こさないようになっている。それで歩道が狭くなっても街全体の交通から考えたら十分に機能していると思われる。

街によって交通システムが微妙に異なり、その少しの差が街を歩き、巡る時に体感する空間に大きな差と同時に、風景を乱すことにもなる。こういう小さな成功例が少しでも他の都市の参考になっていくことを願うばかりである。






















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