2014年4月7日月曜日

IFC Competition Final Presentation


国際コンペのプレゼンテーション。

ましてやSOM (USA)やGensler (USA)といった世界的巨大設計組織が参加してくる巨大な都市計画のコンペとなれば、関係者も非常に多くなり、政治、経済、交通、インフラ、建築と様々なスペシャリストが審査員として召集される。

このコンペの為に、半年近い時間を毎日必死になって、新しい都市はどうあるべきか。新しいモスクワはどのような都市空間を提供するべきかを考え続け、協同するロシアのアラップとなんどもテレビ会議を重ね、案を作っては練り直し、壊しては作るを繰り返してきた時間。

その中で考えてきたアイデア、建築的回答、都市空間を伝える機会がこの最後のプレゼン。紙媒体の資料ではなかなか伝わりにくい、重要なコンセプトとその建築的表現。それを限られた時間の中で、明確に伝えるためにはなんどもプレゼン資料を手直しして、しゃべる言葉を選択していくことになる。

プレゼン会場はクライアントでもある銀行の巨大会議室。ステージの前には長いテーブルに白髪の混じったいかにも専門家といった老齢の白人がずらりと並ぶ。事前に用意できるプレゼンは滞りなく進むのだが、問題はその後の質疑応答。

それぞれの分野の専門家が、それぞれの観点から提出案に突っ込みを入れてくる。経済性の観点から、一期にそれだけのボリュームの建物を持ってくるのは現実性があるのかどうか。交通ハブとなる駅舎をプロジェクトの中心から話して配置することの意味は。主題となる緑化空間がどれだけ多様性をもっているのか。等々。

この最終審査の為に招待されてやってきている審査員。なのでコンペの途中でクライアントとやり取りしている内容については把握していないと見れ、すでにクライアントとのやり取りの中で話し合われた内容や、質問者同士でも矛盾が出るような質問があるが、やはり離れしている専門家として、かなり厳しい質問が浴びせられる。しかも英語とロシア語の同時通訳で行われるので、質問の内容を正しく把握することに注意しながらチームの中で誰が回答するかを分担しながらなんとか乗り切る。

そんな訳で会場後部に張り出してある他のファイナリストの提出案をしっかり見ることもままならず次のプレゼン者の為にさっさと会場を追い出される。

8 Finalist's proposal

近くのコーヒーショップに入り、一緒にプレゼンに臨んだロシア・アラップのチームとビジネスプランを作るコンサルタント、そしてランドスケープ・アーキテクトとともに、プレゼンの総括をする。

都市計画というあまりに巨大なプロジェクトだけに、クライアントがどこに重きを置き決断をするか、多くの審査員の中で誰の意見に一番耳を傾けるのか、とにかく明日にでも発表されるという結果を祈って待とうということで、ともに費やしてきた長い時間を労うことにする。

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