2013年5月31日金曜日

メルボルン Melbourne Day 2


朝一番のセッションでのレクチャーになるからとどうしても遅れることもできないし、できればその前に最終の確認もしたいしということで、朝食もそこそこに会場入り。

最終の調整で何枚か削除したプレゼン資料を担当者に渡して会場へ。好天に恵まれたこともあり、会場入り口は多くの人で埋められている。大ホールの一番後ろの席に座ってみるものの、どうにも周囲のせいで落ち着かないために、再度スピーカー控え室に戻ることにする。

会場では開会の挨拶などが行われているようだが、緊張を取り除くために廊下を歩きながら「ブツブツ」練習をしていると、担当者が「必要だったら静かな部屋を使ってください」と声をかけてくれるが、「歩きながらの方が良く考えられるから」と再度歩いてはブツブツを繰り返す。

そんなこんなをしていたらあっという間に時間が過ぎ、一緒のセッションでレクチャーをするスペインの建築家ホセ(Jose Selgas)と一緒に壇上にて流れの確認。どうにもマックで準備した彼のプレゼン資料がうまくいかないらしく、技術担当者とやり取りをしているので嫌な予感がしたが、主催者が駆け寄ってきて、「繰上げで最初にレクチャーしてくれないか?」と聞いてくる。

嫌なものから先に食べる性質なので、というわけではないが、どうせ緊張して時間を過ごすなら、さっさと終えて楽になってしまったほうがいいかということで、トップバッターで壇上へ。壇の上からは暗くて見えないかと思っていたが、比較的クリアに1200人の聴衆の姿が見えて、「ほぅ」と思いながら準備したプレゼンを開始する。

厳しいスケジュールなのできっちり40分以内で終えてくれ。と厳しく言われていたので、アイフォンで時間を計りながら、ポイントを明確に話していくと結構時間がなくなってくるが、最後はなんとか帳尻を合わせてほぼ40分ぴったしでレクチャー終了。大きな拍手の中ほっとした気分で壇を下りると、他のスピーカーから「良かったよ」と声をかけてもらってやっと一息。これが最初に終えてしまうものの特権だと、解放感たっぷりで他のレクチャーを耳を傾ける。

ホセはマドリッドをベースに活躍するSelgasCano Arquitectosの協同主宰者であり、自ら開発に携わる半透明のプラスチックを使ってのプロジェクトで知られる。のっぽさんのような風貌でどうも愛嬌がある人である。自らの設計事務所を森の中に設計した「office in the woods」はとても好きなプロジェクトだったので、彼らの作品だと知ってがぜん興味が出てくる。

セッションが終わるといろんな人にも声をかけてもらいながら、会場に併設された建材フェアの一角に出店している建築専門の書店のブースで、自分達の出版物への簡易なサイン会を行い、こちらで勉強する建築学生などが購入してくれて言葉を交わす。

そんなこんなでランチもそこそこに、主催者側がセッティングしてくれていた地元メディアからの取材を30分ほど受けて、午後のセッションを聴衆。

続いては、オランダからセザール(Cesare Peeren)はsuperuse-studiosを主宰し建築の作られ方に疑問を投げかけ、地球規模のスケールで建築だけに囚われず建材のリサイクルをテーマに設計を続けているようで、ジェット機の座席を再利用してホールを設計などしているらしい。

その次のエマ(Emma Young)は、オーストラリアをベースに活躍するPHOOEY Architectsの主宰者の一人であり、こちらもまた建材のリサイクルを一つの売りとして設計を行っているようである。

このセッションが終わると、また今度は地元のビジネス誌の記者から取材を受け、かなり厳しい質問にあたふたしながら、撮影などをこなしたらもうすぐに次のセッションが始まる時間。

本日最終のセッションは、カレイ(Carey Lyon)はLyonsというオーストラリアでも特に大きな設計組織のトップであり、如何にも地元建築業界の名士といった感じで、最近手がけたメルボルン中心地に位置する、RMIT大学校舎などのプロジェクトをプレゼンする。

その次はフランスからマニュエル(Manuelle Gautrand)で、Manuelle Gautrand Architectureの主宰者である女性。こちらもファサードに使う外装材に対して様々な試みを行っている建築事務所である。

セッションの最後には、ナダー(Nader Tehrani)が今日一日の統括をして、脳をクタクタにして一日目の全てのセッション終了。

「今日は皆疲れてるだろうから」という主催者側からの気配りで、本日の「Speaker Dinner 」はホテルにて行われることに。19時に1階のレストランに集まってきた面々は、今日でレクチャーを追えた解放感たっぷりのメンバーと、まだ明日を控えるメンバーで分かれているかのようにも見える。

流石に一日以上一緒にいるので、それぞれ顔と名前も分かってきて会話も弾み、お酒も進む。程よい疲労感と解放感を感じながらディナーを楽しみ、日本の様に締めの挨拶がある訳でなく、皆思い思いのタイミングで席を立っては部屋に帰っていくので、我々も疲れたからということで部屋に帰ってメルボルン二日目を終了する。





















0 件のコメント: