2013年4月16日火曜日

筋肉痛

急な出張で上海にやって来る。

朝の5時起きで北京から杭州へ飛び、プリツカー賞を受賞した中国人建築家の代表作である美術学校を見学し、西湖を横目に無錫市まで車で移動し傑作を言われる中国庭園寄畅园を見学し、渋滞の高速を上海に向かって東洋とモダンを絶妙に融合した空間を都市の中で作り出す事に成功しているあるホテルを見学する。

皆もクタクタと見えて、かつてのオフィス・メンバーと合流しての上海料理の夕食が終わったら、流石に解散となり、せっかくの機会だからと上海で広告の仕事をしている大学時代の親友に連絡をいれてみる。

突然の連絡なので厳しいかと思っていたが、仕事が終わり次第ホテルまできてくれることに。同室のイタリア人スタッフも同じく友人夫婦に連絡をとり軽く飲みに行くというので、せっかくだから一緒に出かけることにする。

クライアントとの食事中だったという友人は22時過ぎにホテルに到着し、久々の再会を喜び合う。大都会の西北で、昭和の香りに絆されながら、村上春樹に影響を受けて過ごした大学時代。夏になる度に18切符で一緒にあちこちに行く中で、電車で一緒になったアメリカ人旅行者と拙い英語で会話をしたいたのを本当に懐かしく思いながら、何の苦も無くイタリア人達と英語で会話をする彼の姿を見ていると、互いに意味のある時間を過ごしてきたのかもなと思わずにいられない。

その当時電車の中で「筋肉痛」が英語でどういうのか分からず、とりあえず「マッスル・ペイン」と自信無しに言っていたけれども、今ではそれも確信を持って笑いあえるというのもこの年齢になった自分達へのご褒美だと思わずにいられない。

上海で建築をやっているという彼の年下の友人も駆けつけてくれて、テーブルの半分はイタリア語、こっち半分は日本語と思い思いの時間を過ごしながら、北京では考えられない屋外テラスで心地よい湿気を含んだ風に頬を撫でられながら、どんなに頑張っても今では増やすことのできない学生時代の友人のありがたさを改めて感じ入る上海の夜。

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