2013年1月6日日曜日

プラハ・フィルハーモニー ★★★


中学時代は自分があまりに音痴過ぎるたので、冬の音楽発表会では指揮者の位置が定位置だったと思い出す、新年初めてのコンサート。

未だに論争の続く、「不可聴音域」の問題。レコードなどのアナログ盤からCDというデジタル音源へと移行する際に、人には聴くことができないと言われている50Hz以下と、20000Hz以上の音をカットした問題。

自分なんかにはその違いは良く分からないが、音楽好き友人によればやはりCD音源はLP類には叶わなく、「音の奥行きが違う」らしい。

アナログレコードの音を

これもよく言われているが、最近ではその「聴けない」といわれてきた高音域の音楽を聴くと、人間の脳はアルファ波を出すという。そう、あの気持ちの良い状態に出るという波長である。

そんなことは理解しながらも、それでもやはり「便利」だということで、日常ではデジタル音源に浸る現代人。そんな常に緊張を強いられる身体に、低音から高温まで「不可聴音域」も含めてすべての音域を浴びせつける「生」の音楽。オーケストラ。

それを国家の威信を懸けて作り上げた、21世紀の大国:中国の首都に位置する国家オペラハウスという、音の建築でじっくり堪能する年初め。

妻の語学学校の友人で、考古学者だというスコットランド人の旦那さんと、医者をされている日本人の奥さんの夫婦に誘われて、プラハ・フィルハーモニーの新年一発目のコンサートを聴きにオペラハウス(NCPA 国家大剧院)に足を運ぶ。

中国では年末年始が休みになるが、その分のしわ寄せが次の週末に来るので、4日から8連勤となり日曜日も通常営業なのでなかなか抜け出すのに時間がかかるが、思い切って待ち合わせ時間に合わせて地下鉄に乗りながら、一体どういう人がこういう時間に余裕を持って仕事を切り上げられるのだろうか・・・と、建築家という職業の宿命に想いを馳せる。

最寄り駅の地下鉄構内でばったり妻と鉢合わせ、簡単な腹ごしらえをしてホールに向かうと、またまたバッタリと友人夫婦に鉢合わせる。年末にも音楽を聴きに来たという音楽好き夫婦だけあって、今日のオーケストラへの期待も上々な様で、とても楽しそうな雰囲気。

180元と一番値打ちな席だけあって、オーケストラの後ろという席からは、各演奏者が楽譜を捲る様子なども見れてなかなか面白い。現在、ハルビンでオペラハウスを設計している手前、数ヶ月前にこのホールの設計と音響を参考にしに足を運んだので、その効果を実際にオーケストラで体験する良い機会でもある。

19:30に時間通りに開演したプラハ・オーケストラはOndrej Vrabecという若きチェコ人指揮者に率いられ、ちょっとでっぷりした彼の表現力豊かで、動きの大きな指揮に導かれ、とてもダイナミックな演奏を奏で、期待していた以上の良さであった。そのおかげで、久々の刺激に脳も驚いたのか、すっかりアルファ波が出てしまい途中はすっかりウトウトしてしまう。

幕間にホワイエで友人と談笑をしていると、見知った顔だと見つけるのはURBANUSのワン・フイ(Wang Hui)。こちら中国を代表する有名建築家なのだが、パートナーのマーとも昔から知り合いということもあり、ザハ事務所で北京に送られた9年前からの知り合いで、いろんな建築関係のイベントでもちょくちょく会う関係。

相当なクラシック好きなようで、「これはいい仲間を見つけた!」と言わんばかりに、

「あれ、音楽好きなの?
こちらは奥さん?
こちらは友達?
そうそう、ここに来るなら年間のVIPカード買った方がお得だよ。
2月にシカゴ・オーケストラ来るよ!高いけど絶対いいよ。
4月にはムティが・・・・」

と、とても嬉しい情報を次から次へと話してくれるので、トイレに行く間もなく休憩時間の終了。

アンコールも盛り上がり、終了したのは10時というたっぷりの内容。席の場所でちょっと心配したが、音響的にも素晴らしく、演奏もパフォーマンスも素晴らしく、とても満足の行く内容だったということは、すっかり軽くなった身体の方がよく示してくれているようである。

4人で記念撮影をし、次はどれにしようか?などといいながら、地下鉄に乗り込む「初聴き」。

「数年後には、MADが設計したオペラハウスで一緒にオーケストラを聴きましょう」と約束し、やはり「手」の痕跡に勝るものは無いんだと想いながら家路に就く。

国立オペラハウスの年間カレンダー






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