2012年8月7日火曜日

縮小社会

「全国の人口、26万3千人減 3年連続、下げ幅過去最大」

毎年のことだが、こういうニュースを見ると日本の未来に生きる若者の負担がどこまで上がっていくのだろうと思わずにいられない。

毎年26万もの人がこの国から減っていっている。

下記の全国の市町村長人口を見てみると、

日本の市の人口順位 - Wikipedia

佐世保市(長崎)、平塚市(神奈川)、府中市(東京)、山形市(山形)クラスの市が毎年消えてなくなっているということになる。

しかも

「3年連続、下げ幅過去最大」

去年より今年、今年より来年というかたちで縮小社会ノンストップ状態ということ。

この状況が5年ほど続けば、福岡や神戸や京都といった規模の都市が失われる計算になる。

人口増加、恒常的な飽和状態を基盤にしていた社会構造があっという間に崩れ、今までの様々な前提が崩壊していく。それは建築という社会に深く根を下ろした分野にとっては、致命的な自己変革が求められるのは自明の理であり、それを声高に叫んで自らの社会性をアピールする建築家のジェスチャーが多く見られるようになってきた。

確かにこれだけの急激な人口減少は社会にとって大きなインパクトを与えるに違いないが、成熟社会にとっては人口減少にせよなんの理由にせよ、社会構造を一新する必然性は避けがたく、ましてや日本の国土を考えると、1億を超える人口を抱え、しかもその大半が都市部に集中していたということの方がましては不自然であり、成熟社会を超えてより自然な世界的な経済の面では今までどうりにいれないが、日本を日本らしく、人間が人間らしく生きられ、死んでいける社会。そしてその社会を支える真の意味での日本の建築というのが当たり前のように現れてくるだろう。

人口9000万人でも、この国土と社会と住まい方ができるなら、決して悪くはないじゃないか。

と言ってもらえるような新しく、楽しい建築を一つでもつくれれば嬉しいと思う。

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