2011年2月16日水曜日

「功名が辻 1・2・3・4」 司馬遼太郎 文春文庫 1965 ★★★




























鳴かぬなら・・・と、それぞれ散々な目に合わされるホトトギス。大人しく「ホーホケキョ」と鳴いてしまえばよいものを、決して目立つ鳥類ではないはずなのに、その特徴的な泣き声のお陰で、三傑を後世に伝えるスポットライトを浴びる舞台へと押し上げられる。

それにしても、ホトトギスに代表されるまでもなく、信長、秀吉、家康ほど、日本の歴史上、性格の特徴も、生涯も理解され、物語られた人物もいないのではないだろうか。三国志しかり、英雄が輩出される時代の必要条件として、三人であることの重要性。何かにつけ、常に比較が明確になり、誰か一人ではなくて、三人として語り告げられる。

その三人の時代、織田、豊臣、徳川を生き延びたのは、その後の時代を作る家康と、ひたすら律儀に生きる山内一豊。司馬にしては珍しく女性中心の物語。律義者の山内伊右衛門と賢夫人の代名詞・千代。数年前、仲間由紀恵主演で大河にもなっていたが、全く見ていなかったなと思いながら読んでみる。

西遊記の三蔵法師と孫悟空。
功名が辻の千代と一豊。
もしドラのマネージャーと野球部員達。

古今東西、少し抜けて人の良い男が名を残すには、やはりその後ろで転がす女性が必ずいるということだろう。

知られたいという望みを擽りながら、一国一城の主になれると自信を持たせ、二流も一流仕えれば幸運に合えると、秀吉を早い段階で品定めする千代。

なんとかうまい事、妻に読んでもらおうと頭を悩ませながら、そういえば今年の大河も3姉妹かと思いを馳せる。

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