2008年12月2日火曜日

東大弥生講堂アネックス

























暫く前の日経アーキテクチュアに掲載されているのをみて、ちょっと気になっていたので文京区まで足を運んだついでに立ち寄ってみた。

シェル構造は無柱の大空間を作るときになどに使われる構造で、構造体がじかに球面や双曲放物面といった建築の造形に表現され、丹下健三の東京カテドラル聖マリア大聖堂やシドニーのオペラ・ハウスのような象徴性のある形態を生みだす可能性を持つ構造という認識で、どちらかというと空間を覆うという印象を持っていた。

赤門を抜けて暫く歩くと、紅葉に染まった茂みの中にうねる様に連続する銅板で仕上げられた木製のHPシェルが現れる。周りの銀杏の葉と同じように、時間と共に色を変化させる仕上げ材が緩やかなリズムをつくり、シェル同士の継ぎ目のトップライトと三角形の開口部から燦々と日光が降り注いで、覆うという感じではなく断続的に包むという感じを受けたのが新鮮だった。内部の天井も設備・照明は壁面にまとめ、美しい双曲放物面を生かすために木で仕上げられている。

紅葉のカーペットの上を歩きながら、求心性を解体するための連続するHPシェルを使って、きっと面白い空間の可能性ができるんじゃなかろうかとすこし嬉しく帰路に着く。


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